~おっ!タマジャクシ?~
会社関連施設の地下花壇で朝顔育ててる。
地下と言っても天井無く青空が見える。そう、吹き抜けなのだ。太陽の光当たれば、風も吹き抜け、雨降れば花壇に降り注ぎ、虫たちも自由に行き来する。非常に解放感ある地下だ。その同じ地下に、総御影石張りの人工池がある。畳25畳程度の広さだ。池はそう深くない。くるぶし高さの2倍くらいだ。
ところで、この施設は売り物件だ。だから綺麗を保たねばならない。
ところがこの梅雨の時期、池に溜まった雨水はあっという間にバスクリン入れたような黄緑色と化し不潔感漂う。だから雨降れば、1週間以内に池に溜まった雨水全部抜くようにする。今日はその水抜きを行う日だ。
まず最初に、池の一番低い所に家庭用ポンプをセットする。お風呂の残り湯を洗濯機に移し替える時に使うあの小さなポンプだ。
スイッチオン!「シャバァバァバァブワ~ッ」と、池に溜まった雨水が、ポンプ排水管の先っぽから水平に噴出する。
次に私は薄水色のワイシャツと薄グレーのズボンを脱ぎ、上下薄水色の夏用半袖作業着に着替える。そして、古びて光沢失った革靴から、周囲の景色が映り込むほどピカピカの黒ゴム長靴に履き替える。
着替え終えた私は、ブラシ部分が緑色の木製デッキブラシを手に取り、池に入る。このブラシで、池の底についたヌメリを擦り取るのだ。
池の淵いっぱいに張った水面に対して、長靴の底を平行に配置し、そのまま真下に沈めていく。長靴ゴム底と、平らな池底を隙間なくベッタリと密着させる。右足の長靴底をわざと池の底に擦りつけてみると、やはりヌルッと滑る。
滑り転ばぬ様に内ももに力を込めて慎重に池中を移動する。その時!小さい何かが水中を素早く動いた。しかしすぐに見失う。更に池中を歩く。やはり先ほどと同様に複数の黒くて小さい何かが素早く私から遠ざかり止まる。今度は見失わない。丸くて尻尾がある。「オタマジャクシ?まさか」この池でオタマジャクシ等見たことは一度も無い。腰かがめ、反射した水面を避け、顔を水面に近づけ、目を細める。「オタマジャクシだ!」池中の落ち葉拾いで置いてあった虫取り網で池の中をすくってみる。その時捕まえたオタマジャクシです。「あれっ?オタマジャクシってこんなんだっけ?」
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