土間/吹き抜け/無垢材/鎌倉 1.5階部分から吹き抜け空間を見下ろして…

家をつくるにせよ、お店を開くにせよ、建築家に声をかけるという事は、自分だけのオリジナルな空間を手に入れるという事になります。その経験はきっとかけがえのないものになるはずです。私たちの事務所では、この経験を設計の先生にお願いしてその先生のブランド品を買うということではなく、家であれば住まい手の専門家として、お店であればそのお店の専門のプロとして、みなさんに積極的に設計に参加して頂き、私たち建築家と協働で唯一無二の空間を生み出していく事だと考えています。 それから、とても大事な事はホンモノを追求する事だと考えます。流行や気分に惑わされる事なく、本当の生活の面白さとは何か、使いやすさとは何か、商売の本質とは何か、顧客の求める事は何か、などを一緒に考えていきたいと思っています。そして素材としては、竣工時がもっとも魅力的な状態ではなく、人が使っていくたびに味わいを増していくような経年変化のある、つまりホンモノの素材をベースに用いたいと考えます。 世の中はどんどんと複雑化して来ています。社会はIT化により便利にはなったものの、見えにくくなって来ている事も事実です。そのような中で、本人がその身体でしか感じえる事のできない「空間」は非常に大切な媒体といえるでしょう。だからこそ、住宅やお店などはその空間に身をおくという意味で、素直で分かりやすいものでなくてはならないと思います。それはホンモノを追求し現実化する事と同じ事なのです。