借景 狭小地のフォトまとめ
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仲摩邦彦建築設計事務所
出来るだけ広いスペースをつくり出すために、
まず、可能な限り大きな四角形で、
敷地全体を囲いました。
そして、
その一部を刳り貫くようにして、
駐車スペースと、玄関へのアプローチを、
確保しました。
仲摩邦彦建築設計事務所
駐車スペースの部分は、
玄関へのアプローチを兼ねています。
そして、
1階親世帯の部屋の窓も、また、
この駐車スペースに向かって設置されているため、
この場所は、
庭の代わりにもなっています。
住宅密集地に、
出来る限り広く、家を建てるために、
なかなか確保することが難しくなる、
貴重な屋外空間は、
駐車スペース、玄関へのアプローチ、庭、等々、
様々なものを兼ねた場所となっています。
仲摩邦彦建築設計事務所
駐車スペースの部分には、
鉄の格子(グレーチング)の、
「屋根」が架かっています。
「屋根」といっても、
スケスケの格子なので、
雨も通せば、光も通します。
そのため、
この「屋根」があっても、
1階の窓から、
十分に光を採り込むことが出来ます。
仲摩邦彦建築設計事務所
この鉄の格子(グレーチング)の「屋根」は、
スケスケであるため、
法律で規制される面積には入りませんでした。
そのため、
この「屋根」を、
敷地全体に渡って、
架けることにしました。
というのも、
下から見ると、
特に邪魔にもならない、
スケスケの、透明な「屋根」ですが、
2階から見ると、
家を広くする、貴重な「床」になるからです。
仲摩邦彦建築設計事務所
2階にあがると、
駐車スペースの上に架かっていた、
鉄の格子が、テラスの床になります。
この鉄の格子は、
光も雨も通す、スケスケの状態であるため、
「建ぺい率」の制限で、
規制されることはありませんでした。
スケスケの床なので、
何もないのと同じ、というわけです。
この、「透明な床」によって、
2階にある、リビング・ダイニングの広さを、
倍以上に、広く感じられるようにすることに、
成功しました。
仲摩邦彦建築設計事務所
周囲からの視線に対しては、
敷地全体を大きく囲うことで、
目隠しをしています。
レースのカーテンなどを使って、
窓のところで、目隠しをしてしまうと、
部屋の広さは、
カーテンのところまでしか、
感じることが出来ません。
しかし、ここでは、
窓よりもずっと先の、
テラスまでを含めて、
大きく囲うことによって、目隠しをしているため、
レースのカーテンなどは必要がなくなり、
常に、視線は、その先の、
敷地境界線ギリギリまでを見通すことが出来、
リビングルームが、
倍以上の広さに感じられます。
仲摩邦彦建築設計事務所
テラスと反対側の壁は、すべて、
収納になっています。
収納といっても、
扉を付けてあるだけで、
内部は、
自由に使ってもらうようにしました。
コストを下げながらも、
部屋全体の統一感を保つようにするためです。
また、
天井は、部屋の奥の壁に向かって、
わずかに傾斜しています。
厳しい斜線制限を回避しつつ、
部屋の奥行を強調したい、
と考えました。
㈱一級建築士事務所アトリエm
大阪府南部には、狭山池に代表されるように、多くのため池がある。この敷地もそんな池を見下ろす高台にあった。
敷地の特徴を活かすため、建物の2階を北側に張り出す事を考えた。池を望む為であるが、北側につき光の入り過ぎを考える必要がない。開口高さは天井一杯の2.7mとし、広がりを無限にする為、3方のコーナーフィックスとした。池を望むリビング・ダインングを中心に、キッチン、子供部屋、寝室と、水廻り以外の全てを2階に集めた。
玄関を入ると、両脇に居室が並ぶ。東側にはキッチンもあり、3家族が暮らせるようになっている。将来、両親との同居も考えたものである。廊下、階段の壁は、可能な限り本棚とした。夫妻は共に医師で大変な読書家だ。廊下の北端にスタディーコーナーも設けたのも、その為である。
水面を愛でる暮らしは、想像以上に素晴らしい。水鳥、カメなど水辺に暮らす生物を、かわるがわる見つけることが出来る。また、それらが見えずとも時々の表情を見ることが出来る。
風の無い日は、空と雲を映し、風の強い日は、まるで何かが駆け抜けたように、一部が波立ったり。水というものは非常に繊細で、ひと時として同じ様はない。それらが心にもたらす影響を考えた時、暮らしの中に自然を取り込む必要性を改めて強く感じた。
敷地の北側はもとの形状を生かしたままの庭とした。斜面は視界を下にも広げ、更に人の視線を揃える。家族であっても、デッキで足をブラブラさせながら、並んで座るほうが話し易いこともあると思うのだ。
「家に良いも悪いもない。全部良いに決まっている」と写真家は言った。同じようにどの敷地にもその良さが有る。手を加える前に、在る姿を最大限に尊重し、活かしたいと思う。それが、敷地、環境、地球への畏敬、感謝へとつながると思うからである。